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育児日記 22 〜退院〜
2006 / 01 / 12 ( Thu )
僕の入院生活は、たったの10日間で終わった。

病気の原因は不明。

和名の病名も無し。

学会での報告例が世界で5件。

再発するかどうかもよくわからない。

具体的にいうと、頚長筋(食べ物を噛んだりする筋)が石灰化する病気で、

レントゲンでも分からずCTでもダメでMRIで初めて見つかった。

その写真での患部は真っ白になっていた。

あ〜石灰化ねってカンジ。



「最初の注射ね、あれしなくて良かったよ〜」と医師。

「ふ〜ん」

あの時、なぜ注射を拒んだのか今でも分からない。

自分でも不思議だ。



両親が迎えにきた。

妻は入院中も来たがったが、お産直後でもあり、

病院にはどんな病原体があるか分からないので、

絶対に来る事は許さなかった。



部屋の患者、ひとりひとりに挨拶を済ませる。

なんだか卒業式か転勤前のような気分。

晴れがましい気分で看護師詰め所へも挨拶を。



「退院おめでとうございます。お元気で」

と看護師が微笑みながら紙切れを渡す。

病室に荷物を取りに行きながら目を通す。





「!?」





「あなたの治療費は11万円です。カードは使えません。」





「な、な、な?」





「窓口でお金を払ってしか退院できません」





「ふぇっ!」






僕はその後、両親が足りない分を工面してくれてる間、

病室で待っていた。

「さよなら」をした人たちとお昼の病院食まで食べて退院した。

その分の費用はどうなったのだろう?



これが僕の入院生活。

色んな意味で濃かった。

そういえば恐い目にも沢山あった。

子供にも妻にも会えなくて寂しかった。

体は入院前の健康時よりももっと元気になった。

〜入院編 おわり〜

11万は高いよな…と思ったら


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09 : 51 : 56 | [育児日記]入院編 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
育児日記 21 〜モノクロのチャンピオン〜
2006 / 01 / 11 ( Wed )
入院編のつづきです。
あんまり評判は良くないし、育児?な内容なんですが、
書き終わらないと気持ち悪いので、最後まで突っ走ります(w

入院編
育児日記 12 〜激痛〜
育児日記 13 〜入院〜
育児日記 14 〜忍び寄る恐怖〜
育児日記 15 〜揺れるカーテン〜
育児日記 16 〜蠢く影〜
育児日記 17 〜叱責〜



その後、整形外科の大部屋へと移された。

ここでは特筆すべきようなことはなかった。

早寝早起きの習慣が出来、入院する前よりもむしろ健康になった。

ただ、首はまだ重い。



ある台風の朝、廊下が騒がしい。

はやく起きた名物おばさんが台風の解説をしていた。
(彼女とは退院後も色んな所で会った)

彼女が暴れるのも毎回の事なので、無視してタバコを吸いに降りる。



途中、ふと思い立って2階の外来受付でエレベーターを降りる。

日中は人でごった返しのそこも、さすがに早朝は誰もいなかった。

ちょっとだけスリルを感じながら1階外の喫煙所へと降りる。



朝の4時。

真夏とはいえ外はまだ暗く、

台風によって吹き飛ばされた葉っぱが散乱していた。

僕は、それを足で掃きながらタバコに火をつける。



それはモノクロだった。

左眼の縁をすっと流れていく白と黒の模様。

(え〜!!!、もう、恐いの嫌だなあ…)

まだ首を回す事はできない。

僕は意を決してそちらのほうへ、体ごと振り向いた。



おばあちゃんだ。

喫煙所のベンチの向こう、ボイラーか何かの配管の下に寝そべっている。

具合が悪くなり病院にきてみたが、力尽きてしまっているのかも知れない。

僕はおばあちゃんに近づこうとした。



その時、おばあちゃんがムクリと起き上がった。





「このあたりで寝ている可哀想な年寄りを見かけませんでした?」





「はい!?」






話しかけながら、段々と間合いを詰めるおばあちゃん。





もうミドルレンジです(泣






フリッカージャブなら届きます(泣






おばあちゃんにはなぜか隙がない。

右へ意識を動かせば右手が、左へ動かせば左手が若干上下する。

若干、ゆらゆらと揺れている。

「カーン」

足に筒型の灰皿が当る。

もう後は壁だ。

逃げられない。

僕は、右手をぎゅっと握り締めた。

デンプシーロール!!!



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12 : 04 : 17 | [育児日記]入院編 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
育児日記 17 〜叱責〜
2006 / 01 / 07 ( Sat )
テキパキと処置を施す看護師たち。

おじさん達も一様に落ち着いてきた。

そしてタバコに臭いのもとも判明。

動けないはずの隣のおじいさんだった。

吸殻はポータブルトイレの中に捨ててあったそうだ。



説明の必要性を感じたのか、ガッツさんが状況を話す。

不思議な事に看護師達は顔を上げない…。

僕も加勢してみる。

やっぱり症状が重い方たちばかりなので、

知っておいてもらったほうがいいと感じたからだ。



それでも顔を上げない看護師たち。

その時、おもむろに師長がこう言い放った。



「あんたたちは寝ろ!!!病人だろがっ!!!」



( ̄□ ̄;)!!!




気付くと朝だった。

薬が効き始めた僕は、その後、寝てしまったらしい。

天気は恐怖の一夜がなかったかのように澄んで晴れわたっている。

その時、昨日とは違う看護師が入ってきた。

彼女は朝の光を頬に受けながら、まさに天使の微笑で僕にこう言った。



「昨日はよく眠れましたか?」

「・・・・・」

お父ちゃんガンバレ〜(泣って人は
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01 : 28 : 10 | [育児日記]入院編 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
育児日記 16 〜蠢く影〜
2006 / 01 / 05 ( Thu )
気配を感じ、目だけで左側を見る。

暗かったので、蛍光灯のスイッチを入れる。

朧気に浮かび上がるカーテン。

幽かに揺れている。

空調かな?空調だよな?空調であって下さい(泣



カーテンの揺れが大きくなった。

だんだん大きくなっていく。

それと共に、ヒューヒューゴロゴロという、

聞いているコッチが息が詰まりそうになる音が鳴り出した。



モ!!!!!



(″ロ゛)



顔です。

おじいちゃんが顔を出そうとしてます(泣

動けないはずなのに…



必死に叫ぼうとするのを抑える。

マジ、泣きそうです(泣

その時だった。

先ほどから聞こえていた、ヒューヒューゴロゴロという音がMAXになった。

今度は、なんなんですか?(泣



左前のおじいちゃんが痰をつまらせている。

しかも、苦しさのあまりバウンドし始めた。

それに驚いたのか、隣の意識不明のおじさんも咆哮した。

それは、全身に鳥肌が立つような、今までに聞いたことがないような声だった。



おじさん達、大丈夫!


叫びながらガッツさんがコールする。

直ぐに看護師達が駆けつけてきた。

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15 : 43 : 49 | [育児日記]入院編 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
育児日記 15 〜揺れるカーテン〜
2005 / 12 / 29 ( Thu )
3時間起きて3時間眠るという生活を繰り返していたせいか、夜中に目覚めた。

昼間は看護師が代わる代わる立ち入り、訪問客が訪れてそれなりに賑やかな病室も、

夜になると静まり返り、ちょっと不気味だった。



脳神経外科というのは、僕の親父も入院していたからわかるのだが、重篤な患者が多い。

常に医療従事者と患者以外の家族が存在し、

寝ているような起きているような空間が形成されていて、

なんとも言えない独特の雰囲気がある。



左→脳梗塞で認知症の進んだおじいさん。



右→小脳梗塞だけど、今は元気なおじさん。ガッツさん。

対面→脳内出血で退院したその夜に再出血したおじさん。

対面左→竜巻の超低気圧のせいで、脳内出血したおじいちゃん。

対面右→空きベッド。



僕とガッツさん以外はほとんどが眠りについている。

いや、今だけではなく、24時間ずっと…。



目覚めてみたがヒマだ。

薬が効いているので寝ていれば痛みは無いのだが、

起きる時はまだ辛く、また無理して起きる必要もないので、

妻に送ってもらったテルの写真と動画を、携帯電話で繰り返し見ていた。



その時である。

僕の鼻に懐かしく刺激的な臭いが漂ってきた。

(たばこかぁ…そういえば吸ってないなあ…って!?タバコ!!!!!)

右側のガッツさんが起き上がった雰囲気が分かった。

「タバコ…臭くない?」

「ええ、しましたね…」


誰も起きていないはずの病室からタバコの臭い…

何故なんだろ?

タバコを吸ったばっかりの人が来たのか?

いや、そんなレベルの臭いではない。

直ぐそばで吸われたかのような臭いだ。



その時、カーテンが揺れた気がした。

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10 : 11 : 01 | [育児日記]入院編 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
育児日記 14 〜忍び寄る恐怖〜
2005 / 12 / 28 ( Wed )
整形外科の病棟が空いていないということで、

脳神経外科病棟に入院することになった。

痛み止めが効いたのと、入院すればこの痛みを取り除いてくれるという安堵感からか、

病室に入った途端、眠りについた。

2004年8月23日朝5:00、僕はこれから襲う恐怖を知らずに眠りこけていた。



次に起きたのは朝食の時だった。

起床と共に痛む。

起きたら少し痛みが和らいでいるというかすかな期待も無残に打ち砕かれる。



とりあえず薬を飲むために、一口でもいいので食事をしようと起き上がる。

起き上がらない。

いや。起き上がれない。



寝ている姿勢から起き上がろうとすると、必ず首を使うということに愕然とする。

どうやっても首に力が入る。

頑張る→踏ん張る→激痛→寝る→激痛。

打って→打って→叩いて→打って→叩いて、ってカンジ。

ツー→ツー→ツツ→ツー→ツツ、ってカンジ。

こんなことを食事のたびに繰り返していた。



痛み止めの持続時間は4時間。

そのうち3時間くらいはゆっくり眠れる。

かなり強い薬らしく、初日から胃が痛くなってきた。

一向に収まらない痛みに、苛立ちと焦りを感じる。

子供と妻の顔を相互に思い浮かべながら、この日何回目かの眠りに落ちた。



その夜、恐怖はやってきた…

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16 : 06 : 27 | [育児日記]入院編 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
育児日記 13 〜入院〜
2005 / 12 / 27 ( Tue )
診察室に入る。

もう痛いのか痛くないのかすら分からない。

昨日までは元気だった自分が妬ましい。



この日は幸いにも整形外科医だった。

触診され、こっちに動かせ、あっちに動かせという指示に、

心の中でありったけの呪詛を吐く。

で、従わない。

いや、従えない。



首を傾げる医師。

「痛がり方が尋常じゃないねぇ」

と、言われ、

「大人のくせに恥ずかしい」

と、言われたような気がしてムカツいた…というのは、

後から思い出した時で、一刻も早くこの痛みをどうにかして欲しかった。



「じゃあ、とりあえず、筋肉の緊張を取る注射を打とうか」







「嫌だ!!!」







奥で診察中の他の医師も振り返るくらいのデカイ声でそう言った。

この時のことは、今でもよく分からない。

なぜか、首に注射をしたくなかった。

もう、本能としかいいようのない感覚。

『怖い』というか、耳元で『絶対、ダメだ!』と叫ばれている感覚に近かった。



「う〜ん…」



「・・・・」



「わかんないね?なんだろね?」



「・・・汗」



「はい、とりあえず入院」



「・・・はい(泣」

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17 : 06 : 12 | [育児日記]入院編 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
育児日記 12 〜激痛〜
2005 / 12 / 27 ( Tue )
テルが生まれて10日が過ぎた2004年8月22日、

ある朝、僕は起きれなくなった。

首に激痛が走る。

もし、人間にエビの背綿のようなものがあれば、それを全馬力で引かれるような、

このままにしておいたら、反り返って「O」になってしまうような痛みだった。

寝違いなのか?

その割にはどちらか一方が痛いというわけではない。



妻に助けを求めようとするが、声を出す事すら怖い。

朝ごはんを食べようとするが噛めない。

段々と具合も悪くなってきた。



痛みに耐え切れなくなり、友人の整体師のところへ連れて行ってもらう。

もみ始めて10分。

15年来の友人の手の動きを感じる。

(あ〜こりゃ、触れないほどのヤバさだな)



夜になると熱も出て来た。

39度。

この時はお産の里帰りの妻に伴って、妻の実家にいた。

お義母さんに県立病院の救急受付へと連れて行ってもらう。

この時、時間は22時。



朦朧とした意識の中で、名前を呼ばれている事に気付く。

時計を見ると、朝の4時。

我慢する時に声が出ていたのかもしれない。

目を開けると、見知らぬ子供が不気味そうに心配そうに見てた。



気付くと車椅子に乗せられていた。

ぼんやりと、テルと妻の事を思う。

何故だか笑っていた。

僕は、きっとなんともない病気なんだと、何故だか漠然と、この時は思った。

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11 : 54 : 03 | [育児日記]入院編 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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